映画ブログを目指す雑記ブログ

好きな映画、漫画などを紹介していこうと頑張っているブログです。

怖い話 こだま遊び

【こだま遊びって知ってる?


俺の地方でしか流行ってなかったのかなって感じなんだけどね。

俺が小学三年くらいの時によくやってた遊びでさ
なんか奇妙な遊びなんだけど、

誰もいなそうな場所に「おーいっ!」って叫ぶんだよね

で、誰か居たら負けってゲーム。

何が面白いってこれ、ハラハラ感なんだよ。

なんか無性にハラハラするの。


『そこに人が居たらどうしよう』
『人じゃないものが反応したらどうしよう』
ってさ。


けどやっぱり小学生だから、流石に夜にやるとかはなかったね。

あっても夕方で、まあ皆ビビりだから本当にヤバそうなところではやらなかった。

本当にヤバそうな場所っていうのは、墓場とか神社とかね。
流石にそういう線引きはしてたな。



で、そんな遊びしてたなあって最近になって急に思い出してさ、地元の友達に話したんだよ。

微笑ましい話だよなって。
けどさ、なんか半笑い、ていうか苦笑いなんだよね。空気感が違うと言うか。


そしたら友達がさ
「怖がると思うか?そんな作り話で」
って。

俺は言ったよ
「いや、お前の空気読むスキル高すぎるだろ!俺を怖がらせようとしやがって笑」



なんか話が噛み合ってなかった感じがした。

俺はとりあえずその場は合わせて怖い話を作ったことにしたんだ。


けど何が怖いって、俺の話は嘘じゃないんだよ。
少なくとも俺の記憶の中では。

友達はただ忘れてしまっているのか、
それとも俺を騙しているのか、
はたまた本当に…。




そんな思いがずっと消えなかった。

だから後日、真剣な面持ちでその友達に聞いたんだ。本当に覚えてないのかって。

友達が言うには少し覚えてるかもしれないらしい。

詳しく聞いたら「確か、その遊びは数回くらいしかやったことないと思う」って言われた。


いやけどそんなことないはずなんだよね。だって俺たちがよく放課後してたことって、鬼ごっことかゲームとかしてたけど、この遊びも大部分占めてたんだよ…



そう考えて冷や汗をかいてきた俺は一旦冷静になって考えた。

記憶がおかしいのではと思ったが、
ひとつ、そいつとの思い出でしかもその遊び中に起こった出来事を思い出した


「そういえば、小学3,4年生の頃の冬、
学校の帰り道でこだま遊びしながら帰って、
急に怖くなって全力で家まで走ってたよな。
で、沼にぼちゃん。」

「沼になんて入ってないよ。」

「え、沼に入っちゃったじゃん」

「入ってないよ。家まで一直線だよ。」



あとから考えてみれば、何かがその日からおかしかったのを思い出した。


こだま遊びを頻繁にやっていたのは俺たちだけ、
しかし友達は覚えてない、
沼にハマった次の日からその遊びを頻繁にし始めた記憶がある…

なんだ…何かがおかしい…

友達が急に口を開いた。


「わかった。話すよ。
俺たちは確かにあの遊びをよくやっていた。お前のために。

沼に落ちたその記憶は、本当は俺の推測だ。

お前その日から失踪したんだよ。

それでみんなで探したんだ。
それこそ『おーいっ!おーいっ!』って。

いつか帰ってきてくれるはずだって信じてね。
今でも諦めてないよ。
どこかにいると信じてる。
現に俺は、いや俺を含めた地元の友達は、
あたかもお前がいるかのように演じることでお前のことを忘れないようにしている。



そして今この喋っていることも全部妄想だ。


年1行事みたいなもんだ。
お前が大人になって想像しそうなことを想定して、
いなくなってからの日々の捜索を
遊びとして記憶を変えた。
そして俺は今、1人で語っている、
空虚に向かって。

お前が考えていた脳内の感情も全部、
俺だよ。

もしお前が俺の中に存在するとして、
俺は認知できないけど、
いるならそういうことだ。


お前は俺の中で生きているお前なんだよ。」

なるほど。
俺は友達の中にいる存在していない俺だったのか。

友達、いや主人格が作り出した架空の存在が俺。

そういうことだったんだなって思ったね。




で、これが先月の話!

だからさ、ここまで道筋話したらわかったかな?

つまりはこの世界は架空なんだよね。
今目の前で聞いてるお前も、
主人格に作られた誰かってことだね。

俺の、つまりはお前の頭の中の世界なんだよね
ココはさ。

結局何が言いたいかって?

俺もお前を作ったんだよ。】




男の中に存在するその男は空虚に向かって話すのだった。