ショートショート「100%精密病気発見器」
エフ氏は、時間旅行の旅をしている。
目的は、消された精密機器を探すこと。
21世紀の終わり頃、人工知能がある装置を作り出したという。その名も「100%精密病気発見器」。
どうやらこの装置、精神病までも一瞬にして見破いてしまうらしい。
だが、この存在を知るものは、世界でも数人程度だ。
それはなぜか。また何故すぐに破棄されたのか。それを捜索するのが、エフ氏の任務だ。
「極秘」と書かれた文書を手に、発明間近の瞬間に立ち会うことで何がダメだったのかを探るのだ。
そして、エフ氏はついにその瞬間を目にした。
科学者たちは出来立ての装置をすぐに実験に移している。
科学者たちは、数人の被験者を連れてきた。
「よし、では実験を始める。一番の者、前へ。」
被験者に光が当たる。機械が何やら文字列を出す。
どうやら、正常らしい。
「二番の者、前へ。」
そうこうしているうちに、最後の1人となった。
「なぜだ…。おかしいぞ、私が試しにやってみよう。」
何か異常があったのだろうか、科学者の1人が光に当たる。
『異常です。』
機械がそう話した。
エフ氏はしばらくして勘づいた。
その瞬間、顔は真っ青になり、エフ氏は「極秘」と書かれた文書を破いた。