ちょっと怖い話「ババアノウンコ、クッサイヨネ!」
「ババアノウンコ、クッサイヨネ!」
僕が30年前、黒い人に言われた言葉だ。
あれはなんだったのか、どこで言われたのか、今はもう思い出せない。
ただ30年前、黒い人に言われたのだけは覚えている、鮮明に。
あの時、その黒い人は僕のほうをみて、とびきりびっくりした顔であの一言を言い放った。
そしてあの一言をよく思い出すようになったのは、最近肝臓の病気になってからだ。
病気は結構深刻なところまできているらしい。
たぶん死が近づいているからいろんな事を思い出しているんだろう。
肌も病気のせいで黒くなり、体も弱ってきている。
あと何ヵ月持つか。
いままでできなかったことを精一杯やって、潔く死のう。
とりあえず、目一杯寝てやろう。
なんなら、夢の中で自分に会って言うんだ、
あの時みたいに、
「ババアノウンコ、クッサイヨネ!」
って!